引っ越しのときに運ぶべき荷物にはさまざまなものがありますが、その中でもちょっと特殊なのが仏壇ではないでしょうか。
家電品やタンスなどの家具類であれば、養生をしてそのままトラックに積み込んでしまえばいいわけですが、仏壇の場合にはそうは行きません。
仏壇には魂が宿っているという考えがありますので、古くから言い伝えられている決まりに従って搬出や搬入を行う必要があります。
仏壇を引越し先に持って行くにあたって、まずやっておかなければならないのが、魂抜きです。
仏壇に宿っているご先祖様の魂を抜くことで、仏壇はただの家具と同じ扱いをすることができるようになるわけです。
魂抜きは、実際に家まで僧侶を呼んで行ってもらう必要がありますが、あまり直前にお願いをすると、僧侶の都合がつかずに引越し当日に間に合わなくなる可能性がありますので、引っ越しが決まったらなるべく早く連絡をしておくようにしましょう。
また、魂抜きをしてもらう際のお布施ですが、宗派によって変わってきますので一概にはいえませんが、およそ5万円程度を渡すのが一般的です。
魂抜きが済んだ仏壇は、基本的にはただの家具と同じ扱いになるのですが、搬出と搬入には決められたルールがあります。
それは搬出する際には、すべての家具を運び出したあと、仏壇を一番最後に運び出すというものです。
転居先では、逆に他の家具を運び入れる前に、一番先に仏壇を運びいれるようにします。
ベテランの引越し業者であればこうしたルールを知っていることが多いですが、なかにはそういったルールがあることを何も知らずに、適当に運び出そうとしてしまう場合がありますので注意が必要です。
もし、作業員がルールを知らないようならば、ルール通りに作業できるようにしっかりと指示を出してあげましょう。
仏壇の中にある位牌やご本尊は、紛失をしてしまっては大変なことになりますので、事前に仏壇の中から出しておいて、自分で責任を持って転居先まで運ぶようにしましょう。
無事に仏壇の引っ越しが終わったら、あとは再び僧侶を呼んで、魂入れをしてもらいます。
ここまでやって、やっと仏壇の引っ越しが完了することになります。